「1万円からお預かりします」や「こちらコーヒーになります」「ご注文、以上でよろしかったでしょうか?」を「誤用だ!」と言っている者たちに共通しているのは、「直前の店員の言葉を聞いていない」という事である。
千円から預かるよ!でも書いたように、「千円をお預かりします」の直前に「862円のお買い上げです」と言われ、2枚出さなくても1枚で足りると判断したからこそ、千円札を1枚だけ出したのだろうに。
つまり「862円のお買い上げです」「千円からお預かりします」だから、「千円から862円を預かって店の経理に渡す」としか解釈の仕様がないし、何処にも文法やことばの間違いも無いはすだが。
そもそも、つり銭は「返すまでのほんの数秒だけ預かり」、商品代金の862円は「レジを閉め回収袋に入れて経理室に運ぶまでの数時間預かる」との二つの意味を併せ持つのが、「千円をお預かりします」というフレーズなのだろうか?
常識的に考えて「千円を預かる」といったら、「千円を一塊」で話を進めるべきだと思うのだが。
つまり、預かっていいのは「千円」ではなく「千円札」の方で、「千円札を1枚、お預かりします」が正しいと主張すべきではないのか?
そもそも「千円、お預かりします」に「はい」と答えてしまうとそこで話が終わってしまうと思うが。
レジ係: | 千円、お預かりします。 |
客: | はい。 |
レジ係: | (レジを閉める)。。。 |
客: | 、、、 |
客: | あの~、お釣りは? |
レジ係: | 先ほど、千円をお預かりすることに同意されましたよね! |
客: | はい。 |
レジ係: | 間違いなく経理の者に届くように、確りとお預かり致しますのでご安心ください。 |
客: | (さて、なんと答えるでしょう?) |
ここで「千円を受け取ったら、釣りを返すのは常識だろう」などと主張するのはまったくのバカである。
なぜなら、それは「商習慣」の話しであって、言葉の問題ではないからである。
「商習慣」を持ち出すのであれば、「マニュアルにそう書いてある」といわれてしまえば、やはりそこで話は終わってしまう。
これでも「千円、お預かりします」に「はい」と答えてしまうとそこで話が終わってしまうと思いませんか?
犬と猫と○○の記憶力
「犬は三日飼えば三年恩を忘れぬ」、「猫は三年の恩を三日で忘れる」というが、、、
- 店員が「862円のお買い上げです」とご丁寧にマニュアル通りに言っているのに、千円札を出すまでのほんの数秒間にすっかり忘れ去っていて「千円からお預かりします」と言った時には、「『から』って何?」と突っ掛かる。
- 「それではご注文の方、確認させて頂きます。」と前置きしているのに、注文を読み上げて「以上、宜しかったでしょうか?」と問う頃には、数秒前に前置きした言葉を忘れ去っていて、「何で過去形なんだ」と突っ掛かる。
- 「ご注文は何になさいますか?」に対し、自ら「コーヒー」と答えて置きながら、数分後、「コーヒー」が出てきて、「こちら、コーヒーになります」と言われた頃には、数分前に自分が注文したことをすっかり忘れ去っていて、数分前に注文したからこそ「結果として『コーヒー』が目前に出てくることに『成った』」ということが理解できず、「もう、コーヒーになっているけど」などと突っ掛かる。
なぜか同じパターンですね!
ということで、共通項を括り出しすと、、、
結論:
俄語学者は3年通っても、注文は3分、お買い上げ金額は3秒で忘れる。
猫より記憶力、悪っ。
参考:
(2012/07/25)
追記:
(2011/12/12)
笑っていいとも!増刊号(2011/11/16 11:08頃放送)で金曜テレフォンショッキングゲストの山崎樹範とタモリが、「頭にくる事」と題して「『こちら、焼きそばになります』とまだ言ってるよね」「『1万円からお釣りですね』って言うのがほんとだよね」と、未だに言っているね。
蛇足:
「こちら、コーヒーになります」は、「こちらのコーヒーになります」とするのが正しいと思うが、これも「『の』って何?」などと「千円からお預かりします」の二の舞になるだろうね!
蛇足のネールアート:
- 共通減語
- 記憶に留める言葉数を減らすことで共感し合えるようになった者同士が好んで使う語彙体系。
または、その共感の元となるマニュアル敬語、バイト敬語など。 - 減語発達
- 記憶に留める語数を増やすことより、減らすことで共感し合える仲間を獲得する方を選択した言語発達形態。または、俄語学者たちの社会進出する様、もしくは、その進出の影響による変化。