汚名を挽回すると名誉を得る?

「汚名挽回」は間違いで「名誉挽回」が正しいらしいが、そもそも「汚名を挽回する」と、どうして名誉を得られるのでしょうか?

裏を反せば、「汚名」とは、すでに「名誉を得ている」者にしか着せられないものでしょうか?

これといって「名誉」らしい「名誉」の無い家系のほうが圧倒的に多いと思うのですが。

それとも、「無名の家柄の者は汚名を着せられる心配は無い」という皮肉ですか?

「汚名挽回」は、何処かのアナウンサーが「汚名返上」と「名誉挽回」を混同したことから生まれたというのが通説のようですが、それが一体どうしたと言うのでしょうか?

妻が浮気相手の子供を身ごもった。

亭主が、「それは子供ではない」と言ったらおかしいでしょう。

正しくは、「浮気相手の子供であって、俺の子供ではない。 が、何れの場合も子供であることには変わりない。」と言うべきでしょう。

誕生の経緯がどうであれ、何等かの意味を持っている言葉であることには違いないと思うが。

頭ごなしに間違いだといっていいのか、甚だ疑問だ。

恐らくは通説を耳にして深く考えもせずに決め付けているのだろうが。

そもそも「汚名」と「名誉」の間には、無名の家臣や民衆が数多く居り、「汚名」でなければ「名誉」であるなどと安直な考えでいいのでしょうか?

「汚名」と「名誉」は遠く隔たって相対しているのであって、表裏一体のものではない。

「劣勢を挽回する」を持ち出されて、苦し紛れに「名誉挽回」と言い張っているだけだから、このようなことにも気付かないのでしょうね。

「汚名挽回」とは、「汚名を雪ぎ、先祖代々受継がれて来た由緒正しい名を取り戻す」ことであり、当然「名誉挽回」では言い表せない事柄である。

「汚名」は、煮ようが焼こうが、況してや、洗おうが「名誉を得る」道理は無い。

結論:

「名誉」が欲しければ、「汚名挽回」を使わないこと!

追伸:

汚名挽回と汚名返上に加えて、「汚名返上」の場合、「返上する」という事は、通常「第一線から退く」ことも意味する。

「病気の回復が思わしくなく、課長のイスを返上します。 つきましては、専務にしてください。」などとは言わない。

普通は、長期休暇か辞職を願い出る。

お勧め:

言葉の間違い, 汚名をすすぐ, 濯ぐ, 雪ぐ, 混交表現
eid=133282

投稿者: ごねる? 猫飯

語彙も誤謬もごねる?猫飯